2022/08/10

最後の粉

彼女は答えた。
「あなたの神、主は生きておられます。
私には焼いたパンはありません。
ただ、かめの中に一握りの粉と、
壺の中にほんの少しの油があるだけです。
ご覧のとおり、二、三本の薪を集め、帰って行って、
私と息子のためにそれを調理し、
それを食べて死のうとしているのです。」

(列王記第一17:12~13)

飢饉が全国的にひどくなった時、
預言者エリヤは海沿いの町に導かれました。
エリヤに食事を出してくれる女性がいるとのことでした。

エリヤは一人のやもめに声をかけて
水を一口、パンも一つ下さいと頼みました。

彼女は暗い顔をしていたはずです。
エリヤの神は生きているけど
私の神はそうではないと言いたげです。
最後の粉でパンを焼き、
息子と共に死を待つ境遇だと言いました。

おそらくエリヤは、顔色を変えずに言ったでしょう。
最後の粉でパンを焼いて私に下さい。
その後で、あなた達も食べなさいと。

主は生きておられ、私もあなたも生かして下さるという
確信を持っていたので、図々しく見える依頼ができたのです。

やもめは全てを失い死を覚悟していたので
神への信仰にジャンプするのは自然にできました。
それで女性は、尽きることの無いパンの粉を目にしたのです。

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